カーポートは、ガレージ(車庫)と比べて手軽に設置できるのが大きな魅力のひとつです。ただし、建築基準法上はカーポートも「建築物」とみなされるため、法令を守って設置しなくてはいけません。今回は、カーポートの設置前に押さえておくべき、境界線とはか何か?建築基準法と隣地境界線・道路境界線について解説します。
カーポートは建築物
大切な愛車を雨や雪などから守ってくれる「カーポート」。ガレージのように壁で囲まれているわけではないため「建築物」には該当しないと思われがちです。しかし、建築基準法第2条第1項第1号では、建築物は「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱もしくは壁を有するもの」と定義されており、カーポートは建築基準法上ではれっきとした建築物であるというわけです。
ちなみに、「屋根及び柱もしくは壁を有するもの」ということは、柱や壁があっても屋根がなければ建築物とはみなされないということになります。
建築物には隣地境界線がある
分譲地などで住居を建てるための土地を購入した場合、隣の土地との境界を示す「隣地境界線」というものがあり、これによって自分の土地と隣の土地とが明確に分けられています。ただし、この隣地境界線を越えなければギリギリまで建物を建ててもよいというものではありません。
民法234条では、建築物と隣地境界線との距離は50cm以上離すことが定められています。
隣地境界線の規定は建築基準法の対象ではないが考慮すべき
建築物を建てる際には建築基準法を満たしているかどうかの建築確認申請を行う必要がありますが、隣地境界線は民法234条によって規定されており、建築確認申請では優先されるものではありません。
そのため、この規定を遵守しなくても建築物を建てられることもあります。例えばカーポートを隣地境界線ギリギリに設置する場合であっても、建築基準法を満たしていれば申請を通過できることもあるようです。
ただし、隣地境界線ギリギリに設置したことで、カーポートの屋根から落ちる雨水や雪などが隣の敷地に入り込んでしまうなど、隣人から苦情を言われるケースもあります。事態が悪化すると、民事調停や訴訟を起こされてしまう場合もあるため注意が必要です。
このように、隣地境界線は近隣とのトラブルを避けるためにも考慮すべきものだと言えるでしょう。
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道路境界線にも注意
カーポートを建てる際に「隣地境界線」と併せて注意しなくてはいけないのが、「道路境界線」です。例えば、カーポートの屋根が大きすぎて敷地からはみ出し、道路上空に常にある場合、建築基準法違反となってしまいます。
また、建築基準法第42条第2項で定められた、「2項道路」とも呼ばれる道路(幅員4m未満の道で、特定行政庁の指定したもの)に面している場合、道路の中心線から2m(※)の範囲までは道路とみなされることになり、そこが自分の所有する土地であっても、屋根も含めてカーポートの設置はできません。
カーポートを建てる際には、トラブルを未然に防ぐためにも、隣地境界線や道路境界線について確認しておく必要があると言えるでしょう。カーポートを設置したい場所について、一度専門家に相談してみることをおすすめします。
※特定行政庁が指定する区域内は道路の中心線から3m、道路の片側が川や崖等の場合はそれらの境界線から4m。
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