停電や断水でトイレは使えるの？

最近のトイレは、ウォッシュレットや暖房便座など、電気を使用した快適な機能を搭載したものが主流です。

「電気で動いてる最近のトイレって、停電の時に流れないんじゃないの？」
「地震とか、災害が起きて停電や断水してても使えるトイレってあるの？」
「災害用や携帯用トイレを用意しておいた方が良いんじゃ…？」

そう思う人もいるのではないでしょうか。
今回は、停電や断水した際にトイレは流れるのか、逆に流れないのか。
戸建て住宅のトイレの場合やマンションなど集合住宅のトイレは停電や断水の時に使えるのか。
そして停電時にも使えるトイレや使い方などをまとめました。
確認して、もし停電が起きた場合などにご活用ください。

停電の時にトイレは流れないの？

「災害が来て電気が止まったら、トイレはどうなるんだろう？」

そう考えて不安になることはありませんか？
本記事はその疑問について解説していきたいと思います。

まず、一般的なタンク式トイレは基本的に電気に頼らないので、断水さえしていなければ停電しても使えるようになっています。
トイレの後ろにある「タンク」に水があれば、便器に水がたまるので正常に問題なく流れるでしょう。

逆に、断水していればどのトイレも使えません。

また停電中には特にマンションなどの集合住宅では注意が必要です。
上層階への給水が電動ポンプに依存しているため、水が止まる可能性があるので、事前に自家発電設備の有無などを管理組合や大家さんに確認しておくことをおすすめします。

停電の時に流れない・使えないトイレはどんなトイレ？

停電の時に流れない・使えないトイレの特徴などを説明します。

一部のタンクレストイレ

便器の背後に設置されているタンクがないトイレ、いわゆる「タンクレストイレ」は停電の時に流れない・使えないものもあります。
一部のタンクレストイレは、電磁弁により排水時のみ水を供給する仕組みとなっているので、電気が使えなくなるとその機能が停止してしまい、流れない状態になります。

さらに、トイレの蓋も開けられなくなるのです。
また、壁側にリモコンがついている場合は停電すると電池式リモコンを除いて使えなくなります。

マンションなど集合住宅のトイレ

上記に記載した通り、一般的なタンク式トイレは戸建て住宅の場合は停電になっても使えますが、集合住宅であるマンションなどのトイレは停電の時に使えない可能性があります。
マンションでは電動のポンプによって水を供給しているため、停電によりポンプが作動しなくなるとタンクに水が溜まらなくなり、流すことできなくなるからです。

また、停電時に使用してしまうとトイレの水が逆流することもあるのでマンションにお住まいの方は事前にその点を理解しておく必要があります。
トラブルを防ぐために、安全確認を終えた後にトイレを流しましょう。

断水している

停電で断水してしまった場合は水の供給がなくなって流れなくなるので、戸建て住宅・マンション関係なくトイレに水がたまらなくなり使えなくなります。

停電以外にも、給水ポンプの故障や建設工事などで誤って水道管が破損したことが原因となることも。
断水について確認する場合は、お住まいの市町村のWebサイトをチェックすることをおすすめします。

停電の時に流すことのできるトイレの使い方

最新のトイレでは、各メーカー毎に停電対応しているタンクレストイレが販売されています。
ただ、停電の時に流すことができるタンクレストイレの使い方は、それぞれメーカーによって違います。
トイレメーカーそれぞれのタンクレストイレの使い方について紹介します。

TOTOのタンクレストイレの使い方

停電した時にTOTOのタンクレストイレを使う場合について説明します。

便器の右横の便器洗浄つまみを回す

手動の便器洗浄つまみがあるので、それを操作して水を流せます。
また、断水してしまった場合はバケツを使って5～6Lの水を周りに飛ばないように注意して一気に注ぎ、その後に3～4Lの水を注いで水をためましょう。
ただし、この水量では排水管がつまることがあるので2、3回に1度はバケツ2杯分（10～12L）の水を便器に流し込んでください。

参考： レバーハンドルがついていないタイプ_緊急時の対応とサポート_お客様サポート_TOTO株式会社

LIXILのタンクレストイレの使い方

停電した時にLIXILのタンクレストイレを使う場合について説明します。

「プレアス」シリーズ

便器の右奥にある「停電中操作レバー」を真下に5秒以上引っ張ることで流すことができます。
※流れた後は「停電中操作レバー」を元の位置に戻し、指かけ部が本体の外側になるように注意してください。

「サティス」「タンクレスシャワートイレ」シリーズ

タイプごとに使い方が違うので詳しくはこちらをご確認ください。

「ベーシアハーモ」シリーズ

タイプや販売期間により使い方が異なるので詳しくはこちらをご確認ください。

背面に収納キャビネットがある場合のトイレ

収納キャビネットの中にある洗浄ハンドル（レバー）を操作して流します。

また断水時にはバケツ1杯（6～8L）の水を、水が周りに飛ばないように注意して一気に流し込んで汚物を排出し、最後に便器の水位を通常の高さまでためるために3～4Lの水をゆっくりと注ぎます。
ただし、この水量では配水管の途中に汚物が詰まることもあるので2、3回に1度はバケツ2杯分程度の水を便器に流し込んでください。

参考： 断水時・停電時のトイレの流し方-LIXIL_Q&A（よくあるお問い合わせ）

パナソニックのタンクレストイレの使い方

停電時におけるパナソニックのタンクレストイレの使い方を説明します。

パナソニックのトイレ「アラウーノシリーズ」は全機種共通の使い方で停電時に使用できます。

①電源プラグを抜く

必ず電源プラグを抜いてから次の手順に移ってください。

②便器右にあるサイドカバーを外し、内部の停電用ハンドルを時計回りに回す

トイレの排水管に設置されているターントラップが下に向け、排水します。
床排水式は約120°、壁排水は約80°回しましょう。

上手く水が流れない出来ない場合は、ターントラップが下を向いている状態で便器にバケツで水を入れ、排水してください。

③排水が終わったら停電用ハンドルを反時計回りに回す

停電用ハンドルを反時計回りに回して、ターントラップを元の向きに戻しましょう。

④バケツを使って便器に約4Lの水を入れる

下水管からの臭いを防ぐために必ず水を入れてください。

停電用ハンドルに手が届かない・またはスペースがない場合は、ハンドル操作をする代わりに便器に約5Lの水をバケツで2回入れることで排出ができます。

また、一部機種では電池を使用して排水する方法もあります。
機種によって使う電池が違うので、お使いのトイレを確認してください。

参考： トイレ（アラウーノシリーズ）の停電時、断水時の排水方法_災害時の商品取り扱いに関するご注意_住まいの設備と建材_Panasonic

停電の時に使えるレバー洗浄のタンク式組み合わせトイレ

タンク式の組み合わせトイレは、停電の影響を受けることなくタンクに溜まった水を使ってタンク側面についたレバーを使って水を流すことができます。

壁に設置したリモコンも電池式の場合なら、いつも通り使えますが、電源を使う場合は停電中は動かなくなります。
また、マンションなどの集合住宅では、停電時に使用できない場合があるのでご注意ください。

停電の時に使えるタンクレストイレ

タンクレストイレや一体型トイレでレバーがついていない場合は、壁面のリモコンが停電で使えなくなります。
しかし、停電中も電池で稼働ができるトイレや、トイレの横にあるカバーを外して、手動式のレバーを使って水を流すことのできるタンクレストイレがあります。
ただし、マンションなどの集合住宅でも、停電時に使用できない場合があるのでご注意ください。