システムキッチンの素材を考えたとき、真っ先に浮かぶのはステンレスではないでしょうか。
ステンレスでできたキッチンは耐久性や耐熱性に優れ、スタイリッシュなデザインも目を引きます。
システムキッチンの素材として非常に優れた特徴を数多く持っているステンレス。身近な素材ですが、具体的にどのような点がシステムキッチンの素材として適しているのでしょうか。
今回はシステムキッチンの素材をステンレスにするかどうかで悩んでいる方のために、ステンレスの特徴や注意点などをまとめました。
また、生活堂でお取り扱いのあるシステムキッチンの中から、ステンレスを使ったおすすめ商品についてもご紹介しておりますので、ぜひご参考にしてください。
ステンレスとはどんな素材?
ステンレスとは、鉄に一定量以上のクロムを混ぜて腐食しにくく改良した合金鋼です。クロムが空気中の酸素と結合すると「不働態皮膜」と呼ばれる薄い膜がステンレスの表面に形成されます。この膜が腐食から金属素地を保護するのでステンレスは錆びにくいのです。
また、不働態皮膜は自己修復機能が備わっており、傷ついてもすぐに再生するというスグレモノ。長期にわたってステンレスを腐食から守ってくれます。
ステンレスキッチンのメリット
ステンレスはシステムキッチンの素材として非常に優れています。その理由を解説します。
錆びや熱に強くて長持ちする
ステンレスキッチンは錆びに強く、丈夫ですので衝撃を与えても割れたりすることがほとんどありません。また、熱に対しても耐性があり、一般的な耐熱温度は700℃~800℃と言われています。
うっかり熱い鍋をワークトップに置いてしまっても、変色や変形の心配がないため安心ですね。
汚れやニオイがつきにくい
不働態皮膜によって守られているステンレスは、水や油が内部に浸透しづらく、汚れやニオイが付きにくいのが特徴です。食品や洗剤の色・ニオイ移りの心配もありません。
また基本的に塗装が不要のため、塗装が劣化してポロポロはがれてくることもないでしょう。
メンテナンスが簡単
ステンレスは、汚れても水で濡らした布巾やスポンジで軽く拭き取れば落ちるのでお手入れが簡単。衛生的で、食品を扱うキッチンの素材として最適です。
スタイリッシュなデザイン
シルバーの輝きが美しいステンレスキッチンは高級感があり、クールでスタイリッシュな印象を与えます。
またステンレスは耐久性や耐熱性、メンテナンス性の高さからレストランなどの業務用キッチンに使われることが多く、「プロ仕様」のイメージが定着しています。
スタイリッシュでカッコいいキッチンにしたいという方にはピッタリの素材だと言えるでしょう。
価格が安い
ステンレスは広く流通しているため、人工大理石や人造大理石、セラミックといった他の素材と比べてリーズナブルです。そのためほとんどのシステムキッチンメーカーでは、標準仕様のシンクやワークトップにステンレスを採用しています。
システムキッチンを安く手に入れたいならステンレスのキッチンがおすすめです。
100%リサイクル可能で環境にやさしい
あまり知られていませんが、ステンレスは100%リサイクルが可能な素材です。長期間使ってもほぼ錆びないため、高品質なまま回収されて再利用されています。
不要になったキッチンもリサイクルされるのであれば安心ですね。
ステンレスキッチンのデメリットと注意点
丈夫で錆びにくいステンレスキッチンですが、デメリットもあります。ステンレスの弱点と注意点について解説します。
表面に傷がつきやすい
ステンレスは衝撃に強い反面、細かな傷は付きやすくなっています。傷を防ぐためには金属タワシなどの硬い物でこすらないようにしたり、シンクに傷防止マットを敷いたりするなどの工夫が必要です。
最近では傷を目立ちにくくするために、ステンレスの表面にエンボス加工が施されたシステムキッチンが出ていますので、気になる方はチェックしてみましょう。
もらい錆びがつくことがある
錆びに強いステンレスですが、まったく錆びないというわけではありません。特に、他の金属製品の錆びがステンレスに付着してできる「もらい錆び」には注意が必要です。
もらい錆びを防ぐためには、金属類をシンクなどに置きっぱなしにしないことや、錆びに気が付いたらすぐに落とすことなどが重要です。
また塩分や汚れを放置したままでも錆びることがありますので、汚れが溜まりやすい継ぎ目や隙間は特にこまめな掃除を心がけましょう。
水垢が目立つ
ステンレスは光沢のある素材のため、汚れが目立ちやすいのがデメリットです。特に水垢が付くと白くくすんで、汚れた印象になってしまいます。
水垢は水道水に含まれるミネラル成分が固まったもの。アルカリ性の汚れですので、クエン酸をスプレーすることで中和し、汚れが取れやすくなります。
ひどい水垢は研磨効果のある重曹に少量の水を混ぜてペースト状にし、古くなった歯ブラシなどでこすると落とすことができます。
無機質な印象を与えやすい
ステンレスを「クールでスタイリッシュ」と捉える人がいる一方、「無機質で味気ない」と感じる方もいます。また、カラフルな人口大理石などと比べて色が選べない点も「面白みがない」と思う方もいるでしょう。
シンクやワークトップがステンレスでも、引出しやキャビネットをナチュラルな木目調にすることで、温かみのあるキッチンは実現可能です。
シンプルなステンレスは合わせる素材によって表情ががらりと変わります。意外とナチュラルなキッチンにもよく似合いますよ。
おすすめのステンレスキッチン
生活堂で取り扱っているステンレスのシステムキッチンの中から、おすすめ商品をご紹介します。
クリナップ「ステディア」
システムキッチン「ステディア」
ステンレスキッチンの大手メーカーであるクリナップでは、ワークトップやシンクだけでなく、キャビネットの構造自体にもステンレスを採用したシステムキッチン「ステディア」を展開しています。キャビネット構造をステンレスにすることで、湿気がこもりがちなキッチン収納のカビを防ぎ、清潔な状態を保つことができます。
また、デザインは家具のような木目調で温かみを表現し、ステンレスの無機質なイメージを払拭しました。
総額 RF-KT-STDB-BASE 円(税込)~
リクシル「シエラS」
スムースドットエンボス加工
「シエラS」のワークトップは、標準仕様でも傷が付きにくいシルクエンボス加工が施されています。表面に細かな凹凸をもたせることで温かみのある印象に仕上げました。
さらに、大小のドットを最適な位置と角度で配置した「スムースドットエンボス加工」のワークトップにグレードアップすることも可能。一般的なエンボス柄と比べて表面に付く傷の面積を1/3に抑えることができ、同時に凹凸の間の汚れも拭き取りやすく改良しました。
スムースドットエンボス加工は、理想的なステンレス鋼板の実現に貢献したことから第12回ステンレス協会賞 優秀賞を受賞しています。
総額 RF-KT-SHS-BASE 円(税込)~
TOTO「ザ・クラッソ」
バイブレーション仕上げのカウンター
TOTO「ザ・クラッソ」のステンレスカウンターは、標準仕様の「銀河エンボス仕上げ」と、グレードアップの「バイブレーション仕上げ」から選ぶことができます。
バイブレーション仕上げとはステンレスの表面仕上げの一種で、わざとランダムな研磨模様をつけることで傷を目立ちにくくするだけでなく、長年使い込まれたような味わいのある風合いを表現しています。
ステンレスにしたいけど傷が目立つのは嫌、凹凸がある表面も避けたい…という方にはバイブレーション仕上げがおすすめです。
総額 RF-KT-CRS-BASE 円(税込)~
まとめ
ステンレスキッチンは丈夫で錆びや熱に強く、衛生的で価格も安いというメリットがありますが、傷や汚れが目立ちやすく、カラーバリエーションが乏しいといったデメリットもあります。
ステンレスのキッチンにするかどうかは自分がどこにこだわりたいかによって決めるのが後悔しないコツです。システムキッチンの素材選びで迷ったら、ぜひ上記の内容を参考にしてください。
生活堂ではステンレスキッチンはもちろん、人造大理石や人工大理石、セラミックといった豊富な素材のシステムキッチンを取り扱っています。たとえばシンクはステンレスでワークトップは人造大理石にするなど、予算やこだわりに合わせて自由にお選びいただき、サイト上で手軽にお見積りができます。
さらに、システムキッチン本体とは異なるメーカーの設備機器を組み込むことができる「ききプラス」が非常にご好評いただいております。生活堂のキッチンリフォームで自分好みのキッチンを作り上げてみませんか?