自分好みの商品を施主が別途購入して、工事を依頼する施主支給。
「好きなものを選べる!」「安く売っているお店で購入できる!」などのメリットがありますね。
近年では、いろいろな施工業者が選べるマッチングサイトなど便利なサービスも多くなりました。
商品のみ購入して工事はマッチングサイトで探して依頼することもあると思います。
ただ、便利なサービスゆえに、いくつかのデメリットがあることをご存知でしょうか?
商品が安くても、工事や追加部材が必要になり、結局総額では高くなる場合や、施工業者とのトラブルの声も聞くことがあります。
こちらのページでは施主支給のメリットやデメリットについて解説しています。
施主支給とは
施主支給とは、施主が自分で設置したい商品(住宅機器)を買って、工務店やリフォーム会社などに取り付けをお願いすること。
つまり「商品」と「取り付け」を別々の業者さんにお願いするというものです。
具体的に言うと、家を建てる(またはリフォームする)人が、照明やキッチン、お風呂、給湯器、ガスコンロ、トイレ、エアコンなど生活に必要な機器やインテリア製品を自分で購入し、設置工事や施工だけを工務店などの施工業者に依頼する方法をいいます。
近年では、いろいろな施工業者が選べるマッチングサイトなど便利なサービスも多くなり、商品と工事を別々に依頼する方が増えてきました。
施主支給のメリット
1)好きな機種を選べる
施主支給の大きなメリットは、好きな商品を選べること。メーカーや機能など、さまざまなタイプの中から、自分の予算や設置する場所、大きさなどを考えて最適なものを選べます。
費用を抑えたいなら価格の安いもの、家族の人数に合わせたタイプなど、それぞれのご家庭に適応した使い勝手のいい商品を選ぶことができます。
2)商品の費用が安くなる場合がある
工務店やリフォーム会社などから商品を購入すると、驚くような高い価格になる場合があります。これは、メーカーから商社、さらに販売店、施工会社などさまざまな会社を通して施主に販売されるためです。
しかし、ご自身でネットショップや家電量販店などで直接商品のみを購入すれば、仲介業者を通さないので費用を抑えられる可能性が高いです。
最近は、さまざまなネットショップで住宅家電を取り扱っているので、比較してみて、その中で最も安い商品を購入することができます。
施主支給のデメリット(注意すること)
1)施工業者とトラブルになりやすい
近年では、いろいろなサービス別に選んで、施工業者のマッチングができる便利なサービスが増えてきました。
商品のみをご自身で購入して、工事はマッチングサイトで探して簡単に依頼ができるのですが、便利なサービスゆえにいくつかの懸念点もあります。
実はこういったマッチングサイトに登録している工事業者は、身分証明書の提示や電話などの審査を通過するだけで掲載できるので、対面での調査は実施されていません。
実際に会って面接して、施工業者の人となりやサービス状況の確認や指導などができていないことが多く、審査が厳しいとは言えない状態です。そのため、サービスの質が悪い施工業者が登録されている場合もあります。
また、マッチングサイトに登録している工事業者は、ほとんどの業者が個人業者です。大手業者の方が安心して任せられるという人には、あまりおすすめではありません。
施工業者との間でトラブルが起こった場合、マッチングサイト運営サイドからのフォローはないので、施工業者と直接やりとりして解決しなければなりません。
場合によっては公的な機関に相談しなければならなかったりするため、泣き寝入りせざるを得なかった人もいるようです。
※2023年2月時点でのトラブルに関する口コミを抜粋しています。
※施工業者のマッチングサイトでは、施主支給ではなく商品と工事費込で販売している場合もあります。
●エアコン交換工事のトラブルに関する口コミや評価の抜粋
1ヶ月経っても連絡がつかず、運営側の保証の対象になったのは良かったが、部品代を振込むので部品の手配と補修は自分でやってと言われた。
素人である依頼主がなぜ尻拭いをしなければいけないのか納得できない。
●トイレ交換工事のトラブルに関する口コミや評価の抜粋
運営のマッチングサイトに連絡したら、業者に直接いってと言われたけど業者には連絡がつきません。泣き寝入りです。
運営のマッチングサイトに連絡をするも「当事者同士で話し合って解決して下さい」とテンプレート入りのメールをよこすのみ。
●ガスコンロ交換工事のトラブルに関する口コミや評価の抜粋
工事をするまで玄関にコンロだけ置きっぱなしで邪魔だったし、こんなことなら頼まなければよかった。
●食洗機交換工事のトラブルに関する口コミや評価の抜粋
運営会社に連絡したところ確認して折り返しますとの返答。1時間ほど待ってから、調整ミスで職人が誰もこちらに向かっていないと言われた。なにもせず1日が潰れたのに、一切謝罪はありません。
●ガス給湯器交換工事のトラブルに関する口コミや評価の抜粋
後から現場での申し込みは規約違反と知り、しかも工事も雑で後悔してます。自分が馬鹿でした。
見積もりの総額費用は何だったのかと問いただすと部品が余計にかかると言われ運営にクレームを入れたら、施工業者を斡旋するだけで問題が起きた後は、顧客と業者で問題を解決してくださいと言わました。
●レンジフード交換工事のトラブルに関する口コミや評価の抜粋
しかも工事業者は工事で壊れたのではないと言い張り、そう言われたら証拠もないし本当に大変でした。完全な泣き寝入りです。
施主支給は、万が一トラブルが起きた場合の責任は依頼主にあることは覚悟しておかなければいけません。
設置後のトラブルや故障の際にどうするのか、確認や準備をして依頼するようにしましょう。
2)専門知識が必要になる
希望する住宅設備のサイズや必要な電圧、必須部材など、専門的な知識を理解した上で商品を選定しなくてはいけません。
また、トラブルを避けるために、施工業者に購入した住宅設備の施工方法や注意すべきことなども事細かに伝えることが必要です。
3)手間と時間がかかり、工期が伸びる場合もある
施主支給の場合、まずは自分で商品を揃えなければいけません。
「どのメーカーのどのシリーズがいいのか」「どこで買うのが安いのか」「設置する場所のサイズに合っているのか」などを自分で調べて、ご自宅の環境に対応した商品を購入する必要があります。
取り付ける場所や使い勝手に合わせて、購入する商品の特徴や設置方法などを自分で判断して商品を選定するので、万が一間違えて商品を購入しても自己責任となります。
また、施主支給の場合は即日に取り付けができません。新設の場合でも、商品と到着と工事のタイミングが合わないと工期が長引く可能性があります。
4)保証のトラブルが多い
リフォーム会社や、商品と工事を一括で対応している販売店などに依頼すれば、取り付け後に不具合や故障があった場合でも保証をつけていることが多いので安心です。
一方、商品のみを自分で購入した場合、基本的にはメーカーの保証だけになります。(別途商品の有料保証をつけられるところもあります。)
施主支給で設置したものは、施工業者での保証対象外となるので、修理や不具合をみてもらう場合は別途費用がかかります。
商品が故障したときに、商品側の故障なのか、施工業者の施工ミスによる故障なのかお互いに保証を拒むトラブルも聞くことがあります。
5)総額では高くなる場合も
施主支給を依頼したときに部材などが揃っていなくて再訪問となった場合、最初に見積もりで提示された工事費とは別に人件費や出張費を請求されることがあります。
施工業者によっては、予定していた日に工事が終わらなかった場合、別日の工事費を請求されたというトラブルも聞いたことがあります。
施主支給で支払った総額と、商品と工事を一括で販売している販売店で購入した場合の金額を比較すると、それほど変わらなかったり、場合によっては施主支給の方が高くなることもあります。
商品の価格だけではなく、交換工事費用、人件費、保証、出張費なども考えて施主支給を選ぶかどうかを決めるようにしましょう。
6)クレジットカードに対応していない施工業者がある
施工業者によっては、現金でのお支払いしか対応しておらず、クレジットカードやPayPayなど電子マネーが使えない場合もあります。
支払い方法の確認は必ずするようにしましょう。
まとめ
施主支給は、自分の好きな商品やメーカーを選べて、直接ネットショップや量販店などで購入できるため、商品自体を安く購入できます。
しかし自分で商品を調べて購入し、施工業者に取り付けを依頼するということは、住宅設備の専門知識が無い場合「部材が用意できていなかった」「設置できない商品を買ってしまった」などトラブルになる可能性もあるのです。
「安いから施主支給をする」という考えはやめておきましょう。価格重視で施主支給を考えている人は、保証やアフターサービスのことも含めてどちらがお得なのか考えて選ぶようにしましょう。
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