
ガス給湯器の電源をつけたままにしておくと、意外に多くの待機電力がかかることをご存知でしょうか。ガス給湯器にはガス代だけではなく電気代もかかっています。ガス給湯器の待機電力を抑えて電気代を節約するための方法をご紹介します。
ガス給湯器は常に待機電力がかかる
ガス給湯器はガス代がかかるという認識はあっても、電気代もかかっていると意識している方はあまり多くないかもしれません。しかし、ガスは給湯器を動作させてお湯を出すときにしか消費しませんが、電力は待機中も含めて常に使用されています。
具体的には給湯器の中に流れてくる水の量を認識する水量センサー、温度を測る温度センサーなどが電気によって動いています。さらに点火するときはガスを燃焼させるために必要な空気を送り込むファンモーター、火花を発生させるイグナイター、ガスの量・水の量を調節する制御弁なども電気で動いています。
待機中はいわゆる待機電力を消費しています。待機電力とは使用者の操作を待っている状態で消費する電力のことです。操作パネルやリモコンでの電源がオンになっているときはもちろん、オフになっているときにも待機電力はかかります。
これに対し、ガス代は電源を入れっぱなしにしていても、給湯器でお湯を出すとき以外にはかからない仕組みになっています。
ガス給湯器の待機電力はどれくらいかかる?
では、ガス給湯器の待機電力はどれくらいかかるのでしょうか。
「省エネルギーセンター 平成24年度 待機時消費電力調査報告書」によると、「ガス給湯付ふろがま」のオフモード時の待機電力が5.16W、オンモード時の待機電力が6.55Wとなっています。
1年間の電気代は「消費W数÷1000×使用時間×1kWhあたりの電気代」で以下のように算出できます。
オフモード時:5.16÷1000×24時間×365日×27円=約1220.44円
オンモード時:6.55÷1000×24時間×365日×27円=約1549.20円
オフモード時とオンモード時の差額:328.76円
※1kWh=27円で計算
一般的に、一世帯が消費する電力のうち5.1%が待機電力によるもので、さらにそのうちの27%が「給湯機器」となっており、これは「映像・音響機器」の28%とほぼ変わらない割合です。言い換えると、一世帯が消費する待機電力のうちの4分の1以上を給湯機器が使っていることになります。
ガス給湯器の電源は「都度消す」ほうがお得
電源をオンにしたときとオフにした時の年間の差額は328.76円程度。ガス給湯器を使い終わったらその都度消した方が電気代は節約できると考えられます(ただし、頻繁にオンオフを繰り返すのは、逆効果となることもあります。長時間使用しないときはオフにしましょう)。
300円ちょっとなら……とも思われるかもしれませんが、常にオンモードにしていると、蛇口をひねるとすぐにガス給湯器が着火してしまうため、電気とガスを消費します。ほんの少しですが、電気代とガス代として加算されることに違いはありません。こうした無駄を防ぐためにもオフモードにしておくことは有効です。
ガス給湯器のコンセントを外してはいけない
オフモードでも待機電力がかかるということなら、オフモードではなくコンセントを外してしまったほうがいいのではないかと思う方もいるかもしれません。
しかし、とくに冬場はコンセントを抜くと、凍結予防ヒーターや自動ポンプ運転といった凍結防止機能が効かなくなってしまいます。そのために給湯器の配管部などの水が凍結し、破損の原因になります。コンセントは外さないようにしてください。
ガス給湯器の電源は「都度消す」ほうがお得です。また、光熱費を節約したい方は、ガス給湯器に限らず、待機電力を節約するようにしましょう。