
エコキュートを使っていてお湯の温度が安定しなくなってきたなどの症状が現れてきたら、単なる故障ではなく、エコキュートの寿命が近いサインである可能性があります。普段の使い方やメンテナンスによってより長く使い続ける方法なども含めて、エコキュートの寿命(耐用年数)について解説します。
エコキュートの寿命
エコキュートが販売開始されたのは2001年。これまで500万台ほどが普及しています。寿命については販売されてからそこまで経っていないのでまだ正確なところは分かりませんが、おおよそ次のように言われています。
ヒートポンプユニットの寿命
空気熱交換器などが組み込まれたヒートポンプユニットの寿命は5~10年ほどです。ヒートポンプユニットには多くの電子回路部品が使用されており、これが経年によって劣化したり、壊れたりすることが多いようです。
貯湯タンクの寿命
貯湯タンクの寿命は10~15年ほどでしょう。貯湯タンクはお湯を貯めておくためのユニットで、タンクの水抜きなどのメンテナンスを定期的に行っていればこの程度の年数は使用できると思われます。
エコキュートが寿命を迎えたときの症状
一般的にエコキュートの寿命が近くなると、お湯に関するトラブルが発生するようになります。
具体的には、給湯されるお湯の温度が安定しない、お湯の量が安定しないなどの症状が見られるようになると、寿命を迎えている可能性があります。完全に故障するとお湯が出なくなることもあります。ヒートポンプユニットが止まっているにもかかわらず、排水ホースや排水管以外から水が流れているときは水漏れの可能性があり、これも寿命が近いときの兆候かもしれません。
また、エコキュートの使用期間が長くなると、浴槽に黒い粉のような汚れが浮かんでくることがあります。これは配管の接続部などに使用されているパッキンが劣化して硬化し、お湯に混ざって出てきたものです。業者に依頼してパッキンを交換する必要がありますが、ほかのパッキンも同様に劣化している可能性があるので、エコキュートの買い替えの時期が近づいているという判断の目安となるでしょう。
さらに機器から異音がする、リモコンに点検または修理が必要なエラーメッセージが表示されるといった症状が現れることもあります。これらの症状が見られたら、早めにメーカーに連絡をして点検をしてもらうようにしましょう。
エコキュートの寿命を伸ばす方法
エコキュートの寿命を少しでも伸ばすには、次のようなことに注意して使用するとよいでしょう。
エコキュートに適さない入浴剤を使用しない
エコキュートには使わないほうがよい入浴剤があります。具体的にどんな入浴剤が適さないか、逆にどんな入浴剤なら使ってよいのかはメーカーや機種ごとに違うので、説明書を読んで確認してください。とくにフルオートタイプは制限が多い傾向があります。一般的には花王のバブ(透明タイプ)などは使えることが多いようです。
定期的なメンテナンス
貯湯タンクやヒートポンプユニットの定期的なメンテナンスも寿命を伸ばすのに有効です。とくに貯湯タンクや配管の水抜きは自分で簡単にできるメンテナンスです。年に2、3回程度水抜きをすることで、タンクに溜まった不純物や汚れを取り除くことができます。水抜きの手順は説明書に書いてあるので、よく読んで行うようにしてください。
湿気やホコリが多い場所に設置しない
エコキュートの設置場所も寿命と関連性があります。湿気やホコリが多い場所に設置すると寿命を早めてしまう可能性があります。
また寒冷地や、潮風の影響を受ける海浜、臨海地域で使用する場合は、寒冷地仕様、耐塩害仕様・耐重塩害仕様のエコキュートを選ぶようにしましょう。
エコキュートの寿命については上記を参考にしてください。また、エコキュートの寿命が近い場合は、修理をするより新しいものを購入したほうが結果的に費用は安くなる場合もあります。不具合が起きるようになったときは、買い替えも視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか。