何かと面倒な食器洗いを代わりに行ってくれる食洗機こと食器洗い乾燥機。あれば重宝する家電製品ですが、かかる電気代が気になって設置に踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。実際のところ、食洗機の電気代はどの程度かかるのでしょう。手洗いと比べたときのトータルの費用は? そういった皆様の疑問にお答えします。
動画でまるわかり!「食洗機VS手洗い」光熱費が安いのはどっち?
食洗機と手洗いと比べたときのトータルの費用を動画を使ってご紹介します。
食洗機の電気代
食洗機を使用したときにかかる電気代は、メーカーや製品、機種によって異なるのですが、各メーカーのホームページやパンフレットを見ると、目安となる料金が掲載されています。
購入を検討している機種があるなら、ぜひチェックしてみましょう。
消費電力がわかれば、おおよその電気代を自分で計算することもできます。消費電力はカタログや製品本体に貼付されているシールに記載されていますから、電気料金自動計算サイトを利用するか、「消費電力×運転時間×電気料金」の式に当てはめて計算してください。電気料金は時間によって異なるなど複雑なので、下記資料のような目安単価を利用してもよいでしょう。
食洗機1回使用でかかる電気代は?
食洗機1回あたりの電気代はいくらかかるのでしょうか。
メーカーが公式サイトで示している電気代を参考に、シミュレーションしてみました。
電力単価:31円
食洗機のタイプ | メーカー | 型番 | 洗浄コース | 消費電力 | 電気代 |
---|---|---|---|---|---|
ビルトイン 食洗機 |
パナソニック | NP-45MD9S | 標準コース | 0.52kWh | 約16.12円 |
卓上食洗機 | パナソニック | NP-TZ300 | 標準コース | 0.77kWh | 約23.87円 |
※食器点数約40点・小物20点、水温20℃の場合。
※電力料金目安単価:31円/kWh(電力料金の改定を受け、令和4年7月22日に改定) 参照:全国家庭電気製品公正取引協議会
※地域や状況によって金額は変動いたします。
標準コースで、1日に2回食洗機をまわすと、1ヶ月の電気代コストは、
16.1円 × 2回 × 31日 = 約1,000円
卓上食洗機の場合、
23.8円 × 2回 × 31日 = 約1,480円
が目安となります。
食洗機は手洗いよりもお得?
食洗機にかかるのは、電気代だけではありません。水道代や専用洗剤の購入費用がかかります。しかしそれは手洗いでも同じこと。手洗いをした場合も水道代、洗剤、お湯を使う場合はガス代もしくは電気代がかかります。
パナソニックのメーカーサイトでは、食洗機「NP-TZ300」を例に出して食洗機と手洗いでかかる費用比較目安が公開されております。
参照:パナソニック「わが家の節約額シミュレーション」
パナソニックメーカーサイトによると、4-5人家族で1日2回、毎食分の食器を毎日×1年間洗う場合、手洗いに比べて食洗機の方が約21,000円安くなるとの試算が出ています。
ここで気になるのが洗剤と水道代の安さ。その理由は食洗機の機能にあります。手洗いでは食器をすすぐときに水を流しっ放しにしてしまうため、水道代がかさんでしまいます。
しかし、食洗機は少ない量の水を内部に溜め、水を循環させて洗うシステムを採用しているので水の使用量を抑えることが可能なのです。
またそれは洗剤についても同じこと。手洗いでは泡が切れてくると継ぎ足ししたくなる洗剤ですが、食洗機の場合は効率的に循環洗浄を行ううえ、水温が高いため洗剤の量が少なくて済みます。
食洗機と手洗いの光熱費を比較してみました
※すべて税込み価格です。
※電力料金目安単価31円/kWh
※ガス料金、水道料金 参照:パナソニック「わが家の節約額シミュレーション」
ビルトイン食洗機の光熱費
1回あたりの光熱費は、約31.7円
1年の光熱費は、約23,584円
※都市ガス熱量:45MJ/m³(参考:東京ガス 東京の都市ガス熱量) 熱効率:80%の場合 【洗剤】約5g:約5.9円
※75回分で442円の洗剤の場合
※NP-45MD9S 標準運転の場合
卓上食洗機の光熱費
1回あたりの光熱費は、約30.3円
1年の光熱費は、約22,595円
※NP-TZ300 標準運転の場合
手洗いでの光熱費
1回あたりの光熱費は、約52.9円
1年の光熱費は、約38,600円
【洗剤】約9.6mL:約4.9円
食洗機と手洗いの光熱費の差額は?
上記の計算結果は、あくまで目安として参考にしてください。
食洗機を使用する際の注意点
洗う食器が少ないと手洗いの方がお得?
水道代の節約になる食洗機ですが、威力を発揮するのはある程度の食器をまとめて洗う場合であることも覚えておきましょう。
洗う食器が1~2人分と少なく、なおかつ1日1回程度の場合は、手洗いをしたほうがお得なケースもあります。
音がうるさい場合も
卓上食洗機はもちろん、ビルトイン食洗機も音がします。
水が噴出する「ガー」「ジャー」「ガシャガシャ」「カシャカシャ」という音、そして強力な水流によって食器同士が動いてぶつかる場合があるので、食器の置き方によっては「ガチャガチャ」という音がする場合もあります。
大きい音といっても、キッチンからリビングが直接つながっている間取りの場合でも、リビングでテレビを見ている時「テレビの音量を少し上げる」程度の雑音です。
最新のビルトイン食洗機では、静音性が良くなっているので、音が気になる方は最新機種に買い替えもオススメです。
食洗機を使うときに節電や節水をするコツは?
実は、食洗機は洗浄だけならそれほど電気を消費していません。使用する電気のほとんどは、乾燥機能で消費されています。そのため、乾燥機能を使わないようにすることで、大幅な節電が可能です。
食洗機では高温のお湯を使用するため、洗浄後は余熱で温まっているため、乾燥せずに扉を開けておくだけで、すぐに乾くことも多いです。節電のために乾燥の使用頻度を少なくしてみてはいかがでしょうか。
ご自宅の電力会社との契約プランによっては夜間の時間帯に電力単価が安くなっている場合があります。
なるべく安い時間帯に食洗機を使うようにするとよいでしょう。食洗機を回す時間を今までより数時間ずらすだけで節約になることもあります。契約している電力会社の安い時間帯を調べてみましょう。
食洗機に入れる食器の数が少なくても多くても、電気代や水道代は同じ値段です。使用する回数が少なくなれば、それだけ節約になるので、できるだけまとめて洗うようにするのがおすすめです。
食洗機の機種にもよりますが、洗浄コースを選択できる食洗機が多いです。節電コースや少量コースなどがある場合には、ぜひ使ってみましょう。コースを上手に使い分けることで節約につながります。
食洗機のそのほかのメリット
食洗機のメリットは、節水による水道代の節約だけではありません。洗浄力に関しても次のようなことがいえます。
高い水温で洗えるので汚れが落ちやすい
食洗機で使われるお湯は60℃以上なので、落としにくい脂汚れもしっかりと落とせる温度です。この温度で洗うことは、手洗いではできません。
除菌効果がある
高い温度のお湯と食洗機専用洗剤のダブルパワーで洗う食洗機は、除菌効果も期待できます。また、洗い終えたらしっかり乾燥してくれるので、とても衛生的です。
家事の時短
食洗機の手間は食器を入れてボタンを押し、取り出すだけです。もちろん洗浄中は手が空きますので、別の家事に手が回ります。忙しい日常の助けとなることでしょう。
複雑な形状の物を洗うのも簡単
急須や、おろし金、ステンレス製のザルなどの複雑なものも、並べ方にコツが必要ですが、高温のお湯でしっかり洗うことができます。
食洗機は、庫内で下から上に向かって湯を噴出して、汚れを落とす構造になっているため、汚れ物を下向きにセットすれば、手洗いで届かない部分まで汚れが落ちます。
食洗機へのセットの仕方に最初は慣れが必要ですが、お椀やコップは下向き、お皿は横向きに使うと、しっかり汚れが落とせます。
水仕事による手荒れの軽減
冬場の乾燥した時期など、手が荒れている時の食器洗いは本当に大変ですね。そんな時にも、食洗機は大活躍します。水に触れる時間を減らせるので、手荒れの原因も和らげてくれます。
食洗機を使用すると電気代がかかりますが、節水による水道代節約や、家事の手間、衛生面を考えると十分におつりが帰ってくるのではないでしょうか。電気代が気になっていらっしゃった方には、食洗機導入をおすすめします。
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