
エアコンを使っているとエアコンが発する音が耳につくことがあります。聞いたことがない異音がすると「もしかして故障したのでは?」と気になってしまいますが、実は異音の原因はさまざまです。
どんなときにどんな音が出るのか原因を知っておけば、対処が必要かどうかの判断がつきます。今回は、エアコンから出るさまざまな異音と原因についてご説明していきましょう。
音の種類別! エアコンの異音の原因と対処法
エアコンの異音には、対処が必要なものと必要でないものがあります。具体的にどのような異音がしたら要注意なのかを例をもとにご紹介します。
1. キュルキュルという何かが詰まったような音

エアコンからキュルキュルという音がしたら、その原因は3つ考えられます。
1つ目はファンやフィルターにホコリが溜まってスムーズに動いていないために起こる異音、2つ目はエアコンの取り付けが原因の異音、3つ目はファンモーターに取り付けられているベアリングの故障による異音です。
ホコリが原因の場合、フィルターの掃除を行うことで解消することがあります。フィルターを掃除しても異音が解消しない場合は専門業者にエアコンクリーニングをお願いして、内部までキレイにしてもらいましょう。
取り付けの不具合による異音は、エアコンを新しく設置したときや引っ越しの時にきちんと設置されていなかったことが主な原因です。エアコンを取り付けたらすぐに試運転して、異音がないか確認することが大切です。
ベアリングの故障が原因の場合は、エアコンはファンから風を出しますが、このファンを回転させているのがファンモーターです。ベアリングはファンの回転軸を支える部品で、これに不具合があると連続してキュルキュルという異音を発します。この音がしたら、専門業者に依頼して点検してもらい、必要に応じて修理や部品の交換をしましょう。
2. ポコポコ・ポンポンと何かが弾ける音
エアコンから聞こえるポコポコ・ポンポンといった異音は、故障が原因ではありません。
エアコンには本体に溜まった水を排水するためのドレンホースが取り付けられていますが、このドレンホースに外気が入り込むとこのような異音がするときがあります。特に、気密性の高いマンションや、強風が吹いている日によく起こる現象です。
解消するためには、まず部屋の窓を開けて換気をします。それでも改善しない場合は、ドレンホースの先に逆止弁を取り付けると音が軽減します。逆止弁はホームセンターなどで手に入り、簡単に取り付けることができます。
3. ブーンと響くような音
エアコンからブーンという音がするのは、コンプレッサーの振動音が考えられます。エアコンはコンプレッサーでガスを圧縮することで空気を冷やしているので、圧縮作業中にブーンという異音が聞こえる場合があります。故障ではありませんが、気になる場合は室温の設定温度を変更してみると良いでしょう。
また、フィルターが目詰まりしている場合もブーンという音がすることがありますので、フィルターを掃除してみましょう。
4. ピーピーという電子音
エアコンからピーピーという警告音のような異音がする場合は、故障の可能性が高いと言えます。専門業者に点検を依頼し、必要に応じて修理か交換をするようにしましょう。
5. カタカタ・ガタガタという物が当たっているような音
エアコンのフィルターやダストボックスがきちんと装着されていないときにこのような異音がすることがあります。
もし、自動お掃除機能が作動してこの音が鳴る場合はフィルターがきちんと装着できているかどうかを確認しましょう。
またエアコンをつけていないのに音がするときは、エアコンの中に虫が入っている可能性があります。エアコン内部は虫のエサとなるホコリなどが豊富で、暗くて湿気が多いことから虫が住み着きやすい環境が整っています。
虫はドレンホースや配管用の穴からエアコン内部に入り込みます。入り込んでしまった場合は、直接エアコンに殺虫剤を吹きかけるとエアコンが故障してしまいますので、丸めた新聞紙などでエアコンを軽くたたいて虫を追い出すようにしましょう。
6. 室外機のガラガラ・カラカラという異音
室外機からガラガラ・カラカラといった異音がする場合は、室外機の中に枯葉などのゴミが入り込んでいる可能性があります。目で見える場合は取り除いておきます。また、プロペラやコンプレッサーに問題がある可能性も考えられますので、修理を依頼しましょう。
対処する必要がないエアコンの異音
次のような異音は対処する必要はありませんが、なぜそのような音が出るかを知っておくと安心なので、原因をご説明します。
1. ミシッ・ブシュッと何かがひずむような音
エアコン室内機から聞こえるミシッ、ブシュッという異音は、エアコン内部の熱交換器から発生しています。金属製の熱交換器が温度変化によって膨張したり収縮したりするときの音なので心配ありません。
2. ビシッ・パキッと何かがひび割れるような音
エアコンの温度変化により室内機の樹脂カバーが伸縮すると、このような音が出ます。音が気になる場合はエアコンを28度くらいに設定することで解消する場合があります。
3. ガー・ゴーという空気が流れる音
換気機能がついているエアコンでは、換気用のファンが回るときにこのような音がします。静かにしたいときは換気機能をオフにすれば解消できます。
4. カチ・ウィーンという何かが作動する音
カチ・ウィーンといった音は、吹き出し口についているフラップ(水平の羽根)やルーバー(垂直の羽根)など、エアコンの部品が作動するときに出るものなので心配ありません。
5. シュー・ジューという移動するような音
エアコンを運転中に「シュー」「ジュー」といった音が聞こえる場合がありますが、これはエアコンの配管を冷媒ガスが流れている音なので故障ではありません。
エアコンの異音を予防する方法
エアコンの異音は意外と耳につくもの。できるだけ予防したいのであれば、こまめなお手入れが有効です。
エアコンフィルターのお掃除は2週間に一度を目安に行いましょう。エアコン内部に溜まったホコリはエアコンクリーニング業者に依頼して、1~2年に一度の頻度でキレイにします。
ドレンホースの詰まりはポンポンという音が発生する原因になりますので、排水口から中を覗いてゴミや虫などが詰まっていないか確認し、割りばしなどで取り出しておきましょう。また、あらかじめ逆止弁を取り付けておけば、ドレンホースへの虫の侵入を防ぐことができます。
対処しなくてよい音でも年々大きくなることがある
基本的には対処する必要のない異音でも、部品の経年劣化等の事情により音が大きくなっていくことがあります。
どうしても音が耳障りだと感じた場合は、専門業者に部品の交換を依頼するかエアコンを買い替えるなどの対処を考えてみましょう。
まとめ
エアコンからはさまざまな異音がしますが、慌てずに原因を見極めることが大切です。本来は対処する必要がない音でも、年々音が大きくなったと感じる場合は経年劣化と捉え、部品の交換や本体の買い替えを検討したほうがよいこともあります。
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